ブランド戦略の神!箱根の名店「はつ花」という成功事例

散歩で発見。老舗・はつ花

きょうさん@q_ohhhですよ。

箱根をぷらぷら。

1人で散歩してたんですね。

「Webマーケティング極めてえなあ。」なんて考えながら歩いていました。

Webマーケティングは、これからの時代、ひとりひとり必須のスキルですからね。

「好きな人をふりむかせる」技術ですからね!

こんな素敵な技術、いらない人おらんでしょ!

散歩中、ふと足をとめました。

和風の、いい感じの蕎麦屋を発見したんです。

いい感じだねえ。

店名をよく見ると、自然薯で食べるんだと書いてある。

自然薯か~。とろろ蕎麦ということね。

「とろろ」と言わないとこがいいね。

たぶん「とろろ」という使い古されたワードだったら私、気にもとめてません。

「なんで自然薯推しなんやろ?」と思ってると、看板にこんな話が。

「ほえ~。狂言から採用したのか~」と納得。

思えばこの時に、私はお店の物語性に惹きこまれてたんですね。

他の店にいこうとするも…?

散歩中だった私は、そのままお店をから離れて、またしばらくぷらぷら。

たどり着いた駅前でタバコ。慌ただしい駅前です。

どこか他の場所に行きたくなってきました。

折しも昼時。

「なーんか食べとこうかあ」と考えiPhoneで検索すると…。

さっきの「自然薯蕎麦・はつ花」がトップに出てくる

すっげえな!

それでも別のお店も候補に入れましたよ。

てかむしろ、みんなで別の蕎麦屋に行こうとしてたんですよ。

近かったから。

で。別の蕎麦屋の前までやってきて。

心変わりしたのは私。

「やっぱさ、はつ花にいこう。間違いなさそうやし。」

「失敗したくない」という気持ちが、私にこんなこと言わせたんだと思います。

離脱したあとのご来店~!

お店は満員。

私たちが待ちの2番手でした。

もうこの時点で、はつ花にたいする期待感Max。

ネットでトップに出てくるし。

すぐに入れましたよ。タバコ一本吸い終える前に。

やっぱお蕎麦屋さんだと、お客さんの回転はやいですね~。

最近は、店内じゃタバコは吸えないし。

否応なく回転も速くなる。

木造りのいい雰囲気。

カウンター席だと川べりを眺めながら食事できます。

私たちはテーブル席。

店内見渡したり、メニューをあれこれ見る私たち。

メニューがわりと多い!

思いっきり空腹であれば、天ぷらそばを選んだんですが、そうでもないので私は「貞女そば」を注文。

貞女そばは、こちらのお店の名物。

さっき話した狂言。

狂言に出てくる女性、「初花」って名前なんですね。

まさしく、お店の名前なんです。

そして、彼女のことを「貞女」と呼んで、一品メニューに加えてるんですね。

こちらがメニュー。

お茶をすすっていたら、すんなり出てきました。貞女そば。

(貞女そば。冷やしです。)

こりゃうめえや。

蕎麦、水を一切使ってないんですって。

卵と自然薯、あと少々の小麦粉のみで打った蕎麦。

全然ちがいますよ、私たちがいつも食べてる蕎麦とは。

キレッキレののどごし。

自然薯で打ったのには理由があって。

戦後のこと。

小麦粉が手に入らなかったんだと。

だから、箱根で手に入るものだけで蕎麦を打ったんだと。

箱根で手に入るもの。それが自然薯。

偶然の産物なんですねえ。

ブランディングの王道は、物語性だと知る。

とくにお店の提供する「物語性」にどっぷり浸っている私は、特別な美味しさを感じながら食べる食べる。

そう。特別さを私は感じてたんですよ。

特別な体験をしてるんだと思えた。

同じ蕎麦でも、駅構内の立ち食い蕎麦とは、得たものがちがう。

得たものは、特別な体験なんですね。

立ち食いそばで得られるのは、午前中のエネルギーなわけで。

唯物的ですね。

「モノではなくコト」といいますが、まさしくそれ。

私が得たのは、モノではなく体験。

私たち現代人の需要は、モノを超えて、より観念化してるんですよ。

貞女そばは、1,000円です。

一般の蕎麦より高い。でも全然いいよ。

立ち食いそばに1,000円は払いたくないけれど、物語に参加できて、特別な体験ができるなら、1,000円くらい全然。

これがホントの観光地価格だ。

自販機150円の缶コーヒーなんていらねえよ!

物語へ参加したいと思えたら、それはファンですね。

物語性が、いかに大事かという事を教えられました。

貞女・初花なんて思いっきりキャラ立ちしとるし。

物語には、キャラが必要ですからね。

ブランディングについて多くを教えられた私。

こんなツイート。

しかし。いやあ。

ホントに旨かった。

のどごし最高。

哲学的まとめ

  • 観念化した現代人の需要
  • 新たな気づきを与える
  • ブランディングの王道は物語性
  • 物語はキャラクターで深まる
  • 物語に負けないだけの品

観念化した現代人の需要

イメージに訴えかける。

「モノ」だけの商売、いまここで唯物商売と名づけますが、唯物商売はお客さんから大切にされない。

ただ食欲を満たしたいだけなら、別にあなたの店じゃなくていい。

唯物商売は、あなたを単なる欲のはけ口に貶める。

「そんなの嫌だ!」という人は、大事にされるように自分をブランディングする必要がある。

新たな気づきを与える

はつ花の例でいうと「とろろ」ではなく「自然薯」というワードが良かった。

「とろろなんて小さい頃から食べてきたわ!」という人に、コトバ一つの違いで関心を持たせる事に成功している。

ブランディングの王道は物語性

ブランド論(デービット・アーカー著 ダイヤモンド社)p57より。

「理性に訴えるブランドは、顧客の行動を手に入れる。

感情に訴えるブランドは、顧客の忠誠を手に入れる」

ーブランド・ストラテジスト、スコット・タルゴ

物語性とは、感情に訴えかえること

上の引用の「忠誠」とは、ファンの事といっていい。

感情がファンを作る。

物語性の成功事例は、秋葉原などの地下アイドルの興隆に見られる。

物語はキャラクターで深まる

人の登場しない物語はない。

このことは、坂口安吾が指摘していた。

だから小説を書くように、マンガを構想するようにわかりやすくキャラクターを提示する必要がある。

最近は、ギャップがいいみたい。

不良が子犬に優しいみたいな。

ベジータが家族を大事にするみたいな。

悟空が浮気するみたいな(いや、これはきっと違う…?)

ギャップが親しみを連れてくる。

人には、人を好きになりたいという欲求がある。

優しいけど特徴のないキャラより、多少毒があっても尖ってる方が、人気投票上位に来るよ!

物語に負けないだけの品

これは当然ながら。

はつ花の蕎麦にあれだけ期待していた私が、クソまずい蕎麦食ったとしたならば。

ちゃぶ台返しですよね。

「愛した分の時間返せバカ野郎!」と、恋人に捨てられた状態に陥ることうけあいです。

愛には愛で返そうよ。

はつ花の蕎麦。愛があったよ。美味しかったよ。

(箱根の自然薯そば、アマゾンじゃ見つからないなあ。こちらは新潟の自然薯そば。)

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