投資家になるには。永山卓矢氏の記事がオススメ!

享(きょう)@q_ohhhです。

永山卓矢さんの金融分析は秀逸。

じゃぶじゃぶマネーの回収時期がやってきた

永山卓矢氏の2017年6月20日付けの記事「今回のFOMCでの超タカ派的な政策決定の内容」は、たいへん優れた情報を私たち日本人に届けてくれている。

FOMCはFederal Open Market Committeeで、米連邦公開市場委員会のこと。

つまり市場の操作戦略をやってるところです。

この市場操作、「どれだけ市場に紙幣を流すか」ということが主眼でおこなわれるわけなんですが、これまで紙幣、じゃんじゃん流してきたわけですよ。

じゃんじゃん紙幣をつくるんです。

その紙幣を、じゃんじゃん株式市場に流しこむんです。そうすると平均株価が上がる。

企業はハッピー。投資家もハッピー。

アメリカ、ヨーロッパ、日本の老いぼれ国家がやってきたことです。

でもこれ非常に危ない政策なんですよ。紙幣の激増は、その紙幣を腐らせるんです。

単純に2倍増えたとしたら、たとえば、あなたの財布の中の1万円札が、2万円になるんですね。

最初は嬉しいです。私も嬉しいです。1万円が2万円になるんだから。2倍、買えるものが増える。

ただお金増えたのは、あなただけじゃないんです。

あなたの友達も2倍に増えてるんです。

友達だけではなくて、世界中のみんな、1万円が2万円になっている。

「過去の1万円=現在の2万円」なんです。

仮にあなたが過去に1万円でモノを売ってるとして、現在もそのままの価格1万円で販売してるとすると、1万円分、損してることになるんです。

紙幣の価値が下がっている。「過去の1万円=現在の2万円」ですから。

2倍増やすと、価値は2分の1になってしまう。

1億円の貯金は実質5000万円になってしまいます。

だから、これは危険だから、国民の生活が壊れてしまうから、上記のように「2分の1の悲劇」の毒がまわってしまう前に、FOMCは金利を引き上げる、すなわちこれ以上、紙幣が市場にまわらないようにする、といってるんですね。

  • 紙幣の大量放出で平均株価あげて、企業も投資家もハッピー。
  • 中央銀行から国債買ってもらって国家もハッピー。
  • 出まわり過ぎた紙幣を回収してバブルを軟着陸させる。

という出口戦略なんです。

危険すぎる強行策

そして永山氏は、この出口戦略は、超タカ派でありウルトラ強行策だと指摘している。

つまり「危ないやり方だ」と。

永山氏の文章を引用します。

インフレに関する認識はともかく、今回の政策決定は全体的には極めてタカ派的な内容であるのは間違いない。

バランスシートの縮小策については、開始から1年後には毎月500億ドルのペースで資産を圧縮していく方針が示され、年間で6,000億ドルとなる。おそらく、FRB執行部はカンザスシティ連銀が6,450億ドルの資産縮小で0.25%分の引き締め効果があると試算していたので、この試算を適用したのだろう。資産圧縮分で年間で利上げ1回分の引き締め効果になるので、来年も利上げを3回決めるとすれば計4回分になるからだ。

ただし、FRBはベン・バーナンキ前議長時代の量的緩和策第3弾(QE3)が実施される以前には、1,500億~2,000億ドルもの資産規模の変動で政策金利を0.25%変更するのと同じ効果があるとの試算をまとめたことがある。この見解を今回、“機械的”に適用すれば、資産縮小の開始から1年後には3カ月間で0.25%の引き締めをするのと同じ効果がもたらされることになり、四半期ごとに利上げも同時並行的に進めていけば、実に「2回分」に相当する0.5%もの引き締め効果がもたらされることになる。

当時はまだFRBの資産規模が現在ほど大きくなかったので、現在では資産縮小分の引き締め効果は当時に比べると小さくなっている可能性はある。ただ、カンザスシティ連銀の試算は多分に“生粋”のタカ派であるエスター・ジョージ総裁の意向を受けて、試算縮小措置を打ち出すにあたり、それを決めやすくするために引き締め効果を小さめに見積もった可能性を考えないわけにいかない。

FRBの資産規模は、リーマン・ショックによる巨大な金融危機以前には9,000億ドルほどだったのが、その後の3回に及ぶ強力な量的緩和策を推進したことで4兆5,000億ドル程度にまで膨らませてきた。これからその規模を縮小させていくにあたり、セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁は2兆ドルほどにまで削減できると主張した一方で、ジェローム・パウエル理事は2兆5,000億~3兆ドル程度にとどめる可能性を指摘した。
今回のFOMCの決定を受けて、16日付の日本経済新聞ではパウエル理事の発言を採り上げて、長期金利が反転上昇する圧力はごくわずかにとどまるとの見通しを示しているが、見当違いも甚だしいと言わざるを得ない。
仮にその上限の3兆ドルまででとどまるとしても1兆5,000億ドルもの資産を削減することになるが、かつてのFRBが示した試算値の上限の2,000億ドルを適用しても0.25%分の引き締め効果があることを考えると、縮小が完了するまでに利上げ7~8回分に相当する2%かそれに近い水準もの引き締め効果をもたらすことになる。ましてや、ブラード総裁の見解が採用されると3%を超えるほどの引き締め効果がもたらされることになる。

まとめると、アメリカの紙幣じゃぶじゃぶの第3弾、QE3が2012年9月ですから。

このQE3のまえの段階、

すなわち2012年9月以前だと、1,500億~2,000億ドル、日本円でザッと15兆から20兆円うごかせば、たとえば減らせば、市場に出まわるマネーの量が0.25%減るんだ、といっている。

それで今回、FOMCは少なく見積もっても1兆5,000億ドル、つまり105兆円ものマネー量を動かす、減らすといってるんです。

日経新聞は「市場に大して影響はない」といっているが、「そんなはずないだろう」というのが永山氏の見解。

なぜって、15兆から20兆円減らせば、市場に出まわるマネーの量が0.25%減るっていってたじゃないか、と。

じゃあ105兆円減らしたらどうなるの。

2%かそれに近い水準もの引き締め効果をもたらすことになる。

ましてや、ブラード総裁の見解が採用されると3%を超えるほどの引き締め効果がもたらされることになる。じゃないか!!

と永山氏は主張しているんです。

でも3%とか105兆円とかいっても、もはや実感わかないですよね。

指標としては、私が師の副島隆彦氏に教えてもらったのは、トヨタを指標にすればいいんだと。トヨタの時価総額がだいたい20兆円。

トヨタは日本最高峰の企業ですが、これで20兆円なんで、3%の105兆円の引き締めというのはトヨタを5社潰すのと同じなんです。

とんでもないですね。

3%はマズイです。これを一気にやるとなると、大恐慌を引き起こすこと必至の数字です。

「じゃあなんで、こんな強行策をとるんだ」と。その背景を、永山氏は本日以降、書かれるようです。

これから注目の記事ですよ。

新しいマネーをつくらないと

それにしても永山氏のような、これだけ優れた文章が、ネットには時たま転がってるんです。このような仕事を評価し、報酬に結びつけるマネーが、これからの時代には必要なんです。

現代のマネーは、柔軟性がなさすぎなんです。

中央銀行という200年来の古臭いシステム。

日本でいえば江戸時代から変わらないシステムなんですよ、中央銀行。そろそろ変わらないと。

正当な評価のうえで、その日、その時、その一瞬の価値を反映するマネーが必要なんですよ。

以後、永山卓矢氏に注目です。