弱者の味方だから、ビットコインはここまで大きくなった
きょうさん@q_ohhhですよ。
前回の記事で、「ビットコインと初期キリスト教は似ている」と書きました。
それは、世界で最も弱い立場の人々を救ったという点において。
あとは「なんか怪しくね?」という感じも瓜二つ。
銀行の審査なく口座をつくれるビットコインは、僕ら日本人が思う以上に、貧しい人々の生活を救ったんです。
日本人にとっては投資対象なんでしょうが、難民からすれば生活の救世主。
弱い人々、生きる基盤のない人たちにとっての重要なインフラなんです、ビットコインは。
まずこの認識が大事で、だからこそ、マイニングやら電力がどうのこうのいう前に、弱い貧しい人たちの熱意が、ビットコインの価値を裏付けているんだといえる。
そして、これこそビットコインの本質だと、僕は考えてるんですね。
ホントはなんでもない、デジタル空間で採掘するという、なんら価値を生み出さないただの物語。
こんな与太話が全世界に広がったのも、弱い人々、難民の人々の熱狂的な支持があったからなんです。
そこで爆発的に広がった結果、日本において花盛りのビットコイン。
難民の世界など知らない先進国の人々が、一攫千金を狙って仮想通貨投資。
日本人は、生活においてビットコインを必要としていない。
いまビットコイン決済が、そこらのコンビニでできたとして、僕はわざわざ使いませんよ。
面倒やし。日本円で結構。
Suicaもあればクレジットでもデビットカードでもいける。
難民の人々がもつ、インフラとしての熱烈な支持は、僕ら日本人にはありません。
あるのは旨味。投資のリターン。
日本人は、ビットコインに実物としての価値を見出してないです。
ビットコインと同じく、キリスト教も経済を作った
古代ローマ。
英雄ユリウス・カエサルが帝政への道を切り開いて、もうかなり後の時代に赤ん坊のイエス・キリストは生まれたことになっています。
ローマの属州となったユダヤ。わりと繁栄した社会。
でも硬直したユダヤ社会が気に食わなかったイエス。
たぶん今の日本と似てたんだと思う。老害どもの跋扈する世界。
「働きたくないよう」「会社行きたくないよう」の僕ら、実感でわかります。
そんなユダヤ世界で、反逆行為を繰り返してついに殺されたイエス。
ここから何故か、イエスは神格化されて、「キリスト教なるもの」ができあがっていったんですね。
キリスト教は、イエスがつくったものではないです。
イエスは、反逆してただけで。
なんの基盤もない、ただ「弱い者は正しい」とだけ唱えるキリスト教が、地中海湾岸沿いに広がっていったんです。
それこそ100年の間に爆発的に広がっていったんですね。
この爆発力は、ビットコインとよく似ていると思う。
ビットコインと同じく、キリスト教も経済を作り変えたんですよ。
キリスト教は、経済をつくっていった。
当時、人の繋がりこそが経済です。
人の繋がりというと、僕ら現代人は、JPOPで歌われるようなホンワカした非合理なものを思い浮かべるけれど、当時は生活そのもの。
というのも貨幣で成り立つ社会ではないから。
貨幣もあったけれど、貨幣がなくても生きてゆけるのが近代以前。
現代日本だって、まだ田舎にはそういう空間が残っている。
資本主義とは別の世界。
貨幣以外で生きてゆけるなら、「人との繋がり」は経済そのもの。
それを実現したのがキリスト教なんです。
キリスト教とは、第一に経済だった。
この事を、僕は強く主張しておきたいです。
そして、この新しい経済が、下層階級を中心に広がっていきました。
フィロン神学は、仮想通貨Zcash
ビットコインなんて、いまや百花繚乱の仮想通貨たちにくらべれば、ずいぶん素朴なブロックチェーン設計なんでしょう。
イーサリアムは趣きがちがうにせよ、ライトコインやモナコインといって、ビットコインよりも技術優れてるんであろう仮想通貨が、続々でてきている。
(こちらのまとめがわかりやすいよー)
ビットコインと同じように、素朴だった初期キリスト教は、最先端都市・アレクサンドリアからの思想流入によって、その基盤をガッチリ固めます。
アレクサンドリアのおかげで、キリスト教はどんどん強くなるんですね。
アレクサンドリアはエジプト。
地中海に面することから、当時も今も重要な貿易港があります。
気候もスゴくいいみたい。
ローマは、このアレクサンドリアも統治してたんですね。
まさに地中海の覇者。
当時のアレクサンドリアは国際色豊かで、最先端の技術、知識人が集まっていました。
今でいうシリコンバレーみたいなもの。
ここにフィロンという思想家が現れます。
フィロンは、ギリシャ思想の使い手。
最先端の知識といえば、当時はギリシャ思想。
合わせて読みたい↓
フィロンはユダヤ人ですが、キリスト教神学、果ては後代のイスラム神学にも根強い影響を与えた人物です。
ユダヤ人ってのはアッチコッチ行くから、様々な場所で影響与えるんですよね。
10世紀には、中国の広州にもユダヤ人の街があったそう。
日本でいえば平安時代。
ちなみに、10世紀は「ユダヤ人最高の世紀」といわれています。
世界の中心・バグダッドで繁栄を極めたのが、当時のユダヤ人だから。
関連文献↓
ヨーロッパ覇権以前――もうひとつの世界システム(上) (岩波人文書セレクション)
まあその話はおいといて、イエス・キリストとほぼ同じ時代に、場所は違えど活躍してたのが
フィロンなんですね。
このフィロンの神学が、キリスト教に影響を与える。
ビットコインが、ビットコインキャッシュやらビットコインゴールドに分裂するのと同じで、この時期のキリスト教は、続々と新しい流れを生み出します。
フィロンもその一部で、僕が見たところ、ヨハネ福音書に影響を与えている。
ヨハネ福音書ってのは、4つの重要福音書の1つで。
- マルコ福音書
- マタイ福音書
- ルカの福音書
- ヨハネ福音書
とありますが、中でもヨハネ福音書は、神学要素の濃い福音書といわれています。
最初の書き出しからして「はじめにロゴスあり」というムズカシイ言葉から始まります。
聖書によっては「はじめに言葉あり」って日本語訳されてるんだけれども、「言葉」ってのは誤訳ですね、これ。
「はじめに言葉あり」なんていわれて、意味わかる人おらんですよ。
ロゴスってのは、ここで説明すると、まるまる1本の論文になってしまうんで、触れる程度にしときますが、これはパルメニデスというギリシャ思想家の「存在論」のことです。
転じて、プラトンのイデア論のこと。
ムズカシイよね。
こっちでロゴスの説明はしています。
だから、アレクサンドリアのフィロンは、キリスト教に当時の最先端設計図である古代ギリシャ思想を埋めこんだんですね。
仮想通貨でいえば、JPモルガンが採用したZcash。
小難しくて、秘匿力ハンパない仮想通貨。
ついに現れた最強の思想・新プラトン主義
アレクサンドリアが生み出したものは、フィロン神学だけではありません。
フィロンのあと、最も重要なのはプロティノス。
プロティノスは、もう3世紀くらいの人だから、先輩のフィロンとは200年近く時代が離れている。
このプロティノスが、歴代最高の設計力をもつ新プラトン主義(ネオプラトニズム)を構築したんですね。
新プラトン主義こそが、のちのあらゆる神学の骨格となった思想。
現代では、まだ現れぬブロックチェーン技術といえるでしょう。
もしくはNEMか?
NEMは、スゴイです。
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ところで、最高思想の新プラトン主義(ネオプラトニズム)。
ルネサンスとも関係大ありなんですよ。
遥か後代、日本人もよく知っているフィレンツェのルネサンス。
ローマ・カトリックという、初期のキリスト教から見れば変節しつくした腐った組織に、戦いを挑んだのが、ルネサンスなんですね。
そのルネサンス、中核の運動は新プラトン主義の研究なんですね。
というのも、カトリックがトマス・アクィナスを経て、新プラトン主義にもとづく壮大な神学を構築していたからなんです。
で、油断したら殺しにくるんですよ、こいつら。
このへんわかりづらいでしょうが、現代でいえば「法定通貨を使わないと牢屋にぶちこむぞこの野郎!」ってのと一緒ですね。
これが気にくわないフィレンツェ人たちは、どうにかこうにか屋台骨の新プラトン主義を骨抜きにしたろうと考えたわけ。
ルネサンス牽引者たちはどんどん殺されていきますが、最後の最後に、マルシリオ・フィチーノという学者が、1000年前の文献「エネアデス」のラテン語訳に成功します。
これでやっと「エネアデス」を読めるようになった。
エネアデスこそ、新プラトン主義をぶちあげた著作。
なんと1000年以上、大衆には隠されてたんですよ、エネアデス。
(現代日本には普通にある。超読みづらいけど)
かつてアレクサンドリアで興隆を誇った世界最先端の研究。
その最高傑作の新プラトン主義。
これを悪用したのが、ローマ・カトリック教会だったんですね。
1000年にわたって、なんと原著のエネアデスを隠してまで。
僕にはフランス人の友人がいますが、彼いわく「ローマ・カトリックは最悪だった、奴らがヨーロッパの歴史を停滞させた」。
まるでシリコンバレーのような、1000年前のアレクサンドリア。
世界最先端の設計技術は花盛りを過ぎ、最後は暴徒と化したクリスチャンたちに破壊されます。
アレキサンドリアの花・女流学者のヒュパティアは、貝殻で体を引き裂かれて殺されます。
(映画にもなってる。)
ちょうどこの時代、最高傑作の設計図・新プラトン主義は完全にキリスト教に乗っ取られたんです。
ヒッポ(現リビア)のアウグスティヌス。
キリスト教神学の父と呼ばれる人物ですが、この人物がキリスト教と新プラトン主義を合体させたんですね。
主著「告白」に書かれています。
アウグスティヌス『告白』―“わたし”を語ること… (書物誕生―あたらしい古典入門)
現代でいえば、一切スキのない仮想通貨がつくられて、強制的に使わされるようになる、ということ。
僕は、ビットコインの思想(非中央・分散型)は殺されていくと考えています。
だって、こんな影響力のあるもの、汚い大人たちがほっとくわけないでしょ。
哲ガキ的まとめ
僕は、ビットコインは取り込まれると考えてます。
ビットコインとは名ばかりの、中身の変節した仮想通貨として生まれ変わるんでしょう。
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2017/12/06追記。
僕は現在、イーサリアムの(ETH)、リスク(LISK)、ライトコイン(LTC)、ネム(XEM)の4つをもってます。
ライトコインは、ビットコインの影で安値だから。
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NEMは、新国家を作るから。
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いまのところ、僕は「思想」と「歴史」を見て投資してます。
この入り方が、いちばん得意な入り方だから。
コレまで蓄積した、このマイナーかつ難解な知識が生かせれば、という感じ。
最初の取引所なら、オススメはここ。
僕もこっちで、仮想通貨投資に馴れました。
さあて。仮想通貨は、どんな歴史を紡ぐかな。